アレルギー?ゴーヤを食べた後の腹痛や胃痛の治し方は?

豆知識

こんにちは。KENです。

今回は、夏の味覚であるゴーヤ(にがうり)を取り上げます。

別の記事ではゴーヤの選び方や保存方法について解説しましたが、本記事ではゴーヤを食べた後に起きる腹痛や胃痛について触れます。

実は、ゴーヤを食べた後に腹部の異変を訴える方が少なからず存在しているのです。

一体、これらの異常は何が原因なのでしょうか?

ゴーヤを食べた後に起きる腹痛や胃痛の原因は?

ゴーヤを食べた後に起きる腹痛や胃痛の原因として考えられるのが以下の3つです。

①モモルデシンによる胃液の過剰分泌

②食中毒

③口腔アレルギー症候群

一つずつ解説していきます。

モモルデシンによる胃液の過剰分泌

ゴーヤを食べた後に起きる腹痛や胃痛の原因として最も考えられる可能性がモモルデシンの過剰分泌です。

モモルデシンはゴーヤの苦味成分ですが、これ自体に毒性はありません。

しかし、何事にも適量があるため、無害な水でさえも過剰に摂取すれば水中毒を引き起こして人体を死に至らしめます。

これはモモルデシンも同様で、毒性のないモモルデシンでも大量に摂取することで人体に健康被害をもたらすことがあり、それが本記事で言うところの腹痛や胃痛というわけです。

実は、モモルデシンには胃液の分泌を促進するという働きが確認されているのです。

胃液の促進作用が適度であれば、それは胃腸の状態を整えて食欲増進に繋がるため、夏バテ予防に有効とされています。

ところが、ゴーヤを大量に摂取すると、このモモルデシンが胃液の過剰分泌を促してしまい、胃に大きな負担がかかっていまいます。

この胃への負担が腹痛や胃痛といった異変として現れていると考えられているのです。

食中毒

先述した通り、ゴーヤの苦味となる原因はモモルデシンという成分です。

しかし、これとは別の苦味成分として、ククルビタシンという物質も存在しているのです。

一般的にモモルデシンは食用のウリ科植物(主にゴーヤ)に多く含まれており、ククルビタシンは観賞用のウリ科植物に多く含まれています。

実は、後者のククルビタシンには食中毒の事例が多数報告されています。

食用のウリ科植物には胡瓜やズッキーニなどが挙げられますが、これらを食したところ、中毒してしまうケースが後を絶ちません。

現在では品種改良が進んでいるため、食用のウリ科植物であってもククルビタシンを多く含まない品種が生まれています。

ところが、ごく稀ではありますが、観賞用の個体と交雑するなどして、食用のウリ科植物の中にもククルビタシン類を多く含む個体が発生していないとは言い切れないのです。

モモルデシンおよびククルビタシンはどちらも苦味成分の元であるため、一見しただけではどちらが優勢なのかは区別がつきません。

ただ、ゴーヤの切断面を舐めてみたり、ひとかけらを試食してみて普段よりも苦味が強かった場合はククルビタシンを多く含んでいる可能性があります。

異常なほど苦味が強いゴーヤを食べてしまうと、ククルビタシンによる食中毒に陥る危険性が高いことから、少しでも異変を察知したら喫食しないようにして下さい。

口腔アレルギー症候群

モモルデシンや食中毒(ククルビタシン)以外では、口腔アレルギー症候群の可能性を考えます。

口腔アレルギー症候群とは、アレルゲンとなる食物(ここではゴーヤ)を食べた後、口・唇・喉に限局して「かゆみ」「ヒリヒリ感」「腫れ」などが発現する病気を指します。

ゴーヤをウリ科であるため、ウリ科アレルギーを持つ方がゴーヤを食べると、このアレルギー反応が起きる可能性が高くなります。

アレルギー反応の度合いが軽度であれば口・唇・喉に異変が生じる程度で済みますが、これが重篤化すると、その異変は全身へと及び、蕁麻疹や腹痛などを引き起こす場合があるのです。

また、口腔アレルギー症候群の恐ろしい点は特定のアレルゲンだけではなく、そのアレルゲンに似た構造の物質にも反応してしまうことです。

例えば、カモガヤなどイネ科の花粉症は、メロンやスイカなどウリ科の果物と関連性があることが確認されています。

そのため、当人がウリ科アレルギーを持っていなくても、イネ科の花粉症持ちの方はアレルゲンの構造が似ているウリ科の果物を摂取しただけで口腔アレルギー症候群を発症してしまうリスクがあるというわけです。

このように、口腔アレルギー症候群は花粉症と深く関わりがあることから、「花粉-食物アレルギー症候群」とも呼ばれています。

花粉-食物アレルギー症候群については以下の記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

腹痛や胃痛の治し方は?

ゴーヤを食べた後に腹痛や胃痛が起きた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

もし症状が重篤ではなく我慢できる程度のものであれば、基本的には安静にして自然に快復するのを待つのが最善手となります。

というのも、我慢できないほど重篤化な症状が現れている場合は一刻も早く医師の治療を受けないと命に係わるため、このケースでは個人で対処する手立てはないからです。

ただ、症状が軽度であれば、腹痛なら整腸剤、胃痛なら胃腸薬を服用することで痛みを和らげる効果が期待できるようです。

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