こんにちは。KENです。
今回は、ゴーヤを取り上げます。
ニガウリ(苦瓜)とも呼ばれている通り、その特徴的な苦味を苦手とする方も少なくありません。
なぜゴーヤを苦いのでしょうか?
今回は、ゴーヤが苦い理由や苦味を取る下処理について解説いたします。
ゴーヤはなぜ苦い?その理由は?
ゴーヤの苦味の正体はモモルデシンという成分ですが、なぜゴーヤは苦いのでしょうか?
その理由はゴーヤの生存戦力と言えます。
実は、ゴーヤが苦いのは最初だけで完熟すると苦味が消え、クセがなくなって食べやすくなります。
完熟したゴーヤは鮮やかな黄色になり、鳥などの動物たちは完熟したゴーヤしか食べません。
完熟したゴーヤは種も成熟するため、この状態で動物に食べられることでフンとして各地に排泄されれば、生存範囲を拡大することが出来ます。
これこそがゴーヤの生存戦力であり、ゴーヤは種が成熟するまで自身を食べられないように実を苦くしているというわけです。
実際のところ、ゴーヤが完熟する前に食べる生物は人間のみです。
そのため、ゴーヤからすれば、人間は自身の種の繁栄を脅かす天敵と言えます。
なぜ人間は苦いゴーヤを食べるのか?
生物の中で唯一人間のみが苦いゴーヤを好んで食べますが、なぜそもそも苦いゴーヤを食べるのでしょうか?
その理由は、苦いゴーヤでしか得られない栄養素があるからです。
先述した通り、ゴーヤの苦味はモモルデシンという成分ですが、これ以外にも以下の栄養素が含まれています。
●ククルビタシン
●カリウム
●ビタミンC
●食物繊維
ゴーヤ特有のモモルデシンとチャラチンや、ウリ科特有の植物に含まれるククルビタシンは夏バテ防止や食欲増進などの効果が期待でき、ゴーヤが主に夏に食される大きな理由となっています。
また、ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な栄養素であることから、ゴーヤを食べることで美肌効果が期待できます。
さらに、メラニン色素の生成を抑制する作用もあるため、日焼けやシミ対策にも効果があるとされています。
カリウムは体内にある過剰なナトリウムを体外に排出する作用があり、ナトリウムの過剰摂取に起因する高血圧を予防したり、むくみの予防や解消に期待できます。
ゴーヤは完熟すると苦味が消えてしまうため、苦味成分も消失してしまいます。
そのため、完熟後のゴーヤは確かに食べやすいですが、こうした栄養素を摂取できなくなってしまうのです。
人間が完熟前の苦いゴーヤを食べて続けているのは、苦い状態のゴーヤでしか得られない栄養素があるからなのです。
下処理(苦味取り)は塩と砂糖で簡単に出来る
ゴーヤの苦味が強い場合、以下の下処理を行うことで簡単に苦味を取ることが出来ます。
(2)端から一口サイズに切る
(3)ゴーヤをボールに移し、塩と砂糖をもみ込んで10分ほど放置する
(4)ゴーヤから染み出した水分を捨てる
以下の動画でもゴーヤの下処理が解説されています。
ゴーヤを塩と砂糖でもみ込むと、浸透圧の関係で苦味成分が水分に含まれて染み出てきます。
染み出て来た水分は苦いので、これを調理には使用せず廃棄します。
なお、ゴーヤにもみ込んだ塩と砂糖は下味になるため、これらを洗い流す必要はありません。
塩と砂糖で苦味を取る時の注意点
塩と砂糖をゴーヤにもみ込むと浸透圧の作用で苦味成分が排出されます。
確かに、この方法で下処理をすればゴーヤの苦味を最小化することが可能です。
しかし、ゴーヤには苦い状態の時にしか得られない栄養素が存在します。
この方法で下処理をした場合、確かに苦味は取れて食べやすくなりますが、苦味と共に栄養素も消失してしまうことは念頭に置いておいた方がいいでしょう。
ゴーヤのレシピを紹介しているサイトではこの事実に触れておらず、「塩(砂糖)をもみ込んだ後に出てくる水分は苦いので捨てて下さい」と説明されており、栄養素には何ら言及されていません。
そのため、栄養素を気にするのであれば、染み出て来た水分も有効活用すると良いでしょう。
ちなみに、ゴーヤの苦味を取る下処理として「茹でる」という方法も紹介されていますが、ゴーヤの栄養素の多くは水溶性なので、栄養素の観点から言えば、この方法もあまりお勧めは出来ません。
玉ねぎの辛みを取る下処理として、水気にさらすという方法が紹介されていますが、玉ねぎの栄養素(辛み成分)も水溶性であるため、この方法を行うと栄養素も流出してしまいます。
なるべく栄養素を破壊(流出)させずに苦味を取る下処理方法としては、「レンジで加熱する」という方法が良いかと思われます。
また、塩や砂糖をもみ込んだ後、水分が染み出てくる前に調理してしまうのも良いでしょう。
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